株価移動平均線の基本
株価移動平均線とは
株価移動平均線とは、直近の株価終値をある期間で平均して算出した値を折れ線として表したものです。この株価移動平均線を読み取ることで、株価の値動きの傾向を大まかに把握することができるため、トレンドを知る手段の一つとして利用されます。また、株価と株価平均移動線の値の差を乖離率として表すことで、その銘柄が買われ過ぎているのか、もしくは売られ過ぎているのかを判断することができます。
たとえば、5日間の株価終値が以下のようになっている場合には、株価の5日平均値は5,518.6円(=(5,467 + 5,533 + 5,537 + 5,494 + 5,562) / 5.0)となります。これを毎日連続的に求めることで、5日株価移動平均線を描くことができます。
年月日 | 株価 |
2016年5月16日 | 5,467円 |
2016年5月17日 | 5,533円 |
2016年5月18日 | 5,537円 |
2016年5月19日 | 5,494円 |
2016年5月20日 | 5,562円 |
株価移動平均線の種類
株価移動平均線には、直近の株価終値の集計期間に応じて、異なる特徴を示すさまざまな種類の株価移動平均線を描くことができます。日足・週足・月足それぞれに応じて、おおよその集計期間は決まっており、以下のようになっています。
日足チャート
- 5日移動平均線
- 25日移動平均線
- 75日移動平均線
週足チャート
- 13週移動平均線
- 26週移動平均線
- 52週移動平均線
月足チャート
- 12か月移動平均線
- 24か月移動平均線
- 60か月移動平均線
株価移動平均線の応用
ゴールデンクロスとデッドクロス
ゴールデンクロスとデッドクロスとは、株価チャート上で異なる2つの期間の株価移動平均線を組み合わせて、特定の銘柄の株価の値動きを予測するものです。ゴールデンクロスは、短期の株価移動平均線が長期の株価移動平均線を下から上へ突き抜けるように交差することをいいます。ゴールデンクロスは、「買いのサイン」ともいわれており、今後株価が上に向かう可能性が高いです。一方、デッドクロスは、短期の株価移動平均線が長期の株価移動平均線を上から下へ突き抜けるように交差することをいいます。デッドクロスは、「売りのサイン」ともいわれており、今後株価が下に向かう可能性が高いです。このゴールデンクロスとデッドクロスにおいて、どの期間の株価移動平均線を組み合わせるかは個人の投資期間などにもよりますが、一般的には日足チャートにおいて、短期の株価移動平均線として5日を、長期の株価移動平均線として25日を利用する投資家が多いようです。
だましのゴールデンクロス
ゴールデンクロスには、だましのゴールデンクロスといわれるものがあります。たとえば、短期の移動平均線と長期の移動平均線が交互に上下する場合には、もちろん株価の上昇・下落のシグナルとはいえないですよね。そのようなゴールデンクロスをだましのゴールデンクロスといいます。そのため、ゴールデンクロスの出現条件は、右肩上がりで推移する長期の移動平均線を短期の移動平均線が下から上へ突き抜けるように交差することが挙げられます。ゴールデンクロスは、中長期での株価の値動きのトレンドを知ることができますが、その移動平均線の交差がゴールデンクロスであるのかどうかを見分けることが難しいことがたまにキズです。ゴールデンクロスを正確に判断するスキルが必要です。