ローソク足の基本形

実体とヒゲによる分類

ローソク足は、それ単体だけでも大きな特徴をもっています。そのローソク足の『実体』と『ヒゲ』がどのようになっているのかによって、ローソク足単体のもつ意味は大きく異なります。『実体』であるならば、それが「白色なのか、黒色なのか」、「長いのか、短いのか」、そもそも「あるのか、ないのか」など、『ヒゲ』であるならば、「長いのか、短いのか」、「両方にあるのか、片方にしかないのか」、そもそも「あるのか、ないのか」などがあります。それらの状況の組み合わせによって、ローソク足そのものにバリエーションが生まれますが、それは9種類に分類することができるといわれています。

その9種類とは、(1)大陽線・大陰線、(2)小陽線・小陰線、(3)上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線、(4)下ヒゲ陽線・下ヒゲ陰線、(5)寄引同事線、のことを指します。以下の表に、上記の(1)-(5)のそれぞれのローソク足のイラストとそれの示す意味を簡潔にまとめています。また、(5)の寄引同事線の特別な形状である、(1)トンボ、(2)トウバについても、それらのローソク足のイラストと意味とともにまとめています。

【ローソク足の基本形】
名称 形状 意味
大陽線 株価の大きな上昇
大陰線 株価の大きな下落
小陽線 株価は上昇を見せたが、動きは小さい
小陰線 株価は下落を見せたが、動きは小さい
上ヒゲ陽線 株価は押されたが、終値は始値より大きい
上ヒゲ陰線 株価は押され、終値は始値より小さい
下ヒゲ陽線 株価は戻り、終値は始値より大きい
下ヒゲ陰線 株価は戻りを見せたが、終値は始値より小さい
寄引同事線 株価は上下に振れたが、始値と終値が一致
【ローソク足の基本形 (特別編)】
名称 形状 意味
トンボ 株価は大きく下落した後、大きく上昇した
トウバ 株価は大きく上昇した後、大きく下落した

ローソク足のシグナル

ローソク足は、上記の通りそれ単体だけでも大きな特徴をもつこともあり、ローソク足単体でも売り買いのシグナルを示すことがあります。たとえば、(5)寄引同事線は、トンボやトウバも同様ですが、その相場において「売り方」と「買い方」が拮抗している状態を示しており、天井圏や底値圏で出現すると相場の転換点を示すといわれています。そのため、このローソク足『寄引同事線』が、天井圏で出現した場合には「売り」のシグナルを示し、底値圏で出現した場合には「買い」のシグナルを示すと一般的にいわれています。

そのほかの(1)大陽線・大陰線、(2)小陽線・小陰線、(3)上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線、(4)下ヒゲ陽線・下ヒゲ陰線は、それだけでは判断がつかない場合が多いですが、(3)上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線、(4)下ヒゲ陽線・下ヒゲ陰線の『ヒゲ』が長い場合には、それだけで「売り」「買い」のシグナルを示すことがあり、(5)寄引同事線と同様に、天井圏や底値圏で出現すると相場の転換点を示します。たとえば、(3)上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線の『ヒゲ』が長い場合、天井圏で出現した場合には「売り」のシグナルを示し、底値圏で出現した場合には「買い」のシグナルを示します。これは、天井圏での『首吊り線』や『カラカサ』といわれていますが、それらについてはあとで学びますので、ここでは割愛します。一方で、(4)下ヒゲ陽線・下ヒゲ陰線の『ヒゲ』が長い場合においても、天井圏で出現した場合には「売り」のシグナルを示し、底値圏で出現した場合には「買い」のシグナルを示します。

このように、ローソク足単体でも、「売り」「買い」のシグナルとして表れることがありますので、相場においてそのシグナルを見逃すことのないようにチェックしておきましょう。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする