時間による分類
これまで、ローソク足の概要からそれを構成する4本値(『始値』『終値』『高値』『低値』)まで、ローソク足の基本的なことを学んできました。しかし、このローソク足の4本値は、必ずしも同じものを示しているとは限りません。
ローソク足には、『始値』『終値』があることからもわかる通り、もちろんそのローソク足を形成するための集計期間というものがあり、その集計期間によっては、ローソク足という同じ言葉で一括りにされていますが、「その日の分単位のもの」や、「その週の日単位のもの」、「その月の週単位のもの」、「その年の月単位のもの」など、さまざまなものがあるからです。なお、ローソク足の4本値である『始値』『終値』『高値』『低値』の意味するものや、ローソク足の形状である『実体』や『ヒゲ』の意味するものは全く同じです。ただ、その集計期間によってそれが指し示す値が異なるのです。この項目『分足・日足・週足・月足』では、ローソク足の時間的な分類について学びます。
分足
分足は「ふんあし」と読みます。これは、ある1分間におけるローソク足を示しています。いわば、1分間単位で描かれたローソク足であり、上記の「その日の分単位のもの」に当たります。そのため、ある時間の0秒が『始値』、59秒が『終値』、その0秒から59秒の間における、株価の高いときの値段を『高値』、株価の低いときの値段を『安値』といいます。なお、5分足(ごふんそく)もあり、これは、5分間単位のローソク足を示しています。そのため、ある5分間という時間帯の0秒が『始値』、4分59秒が『終値』、その5分間における、株価の高いときの値段を『高値』、株価の低いときの値段を『安値』といいます。
日足
日足は「ひあし」と読みます。日足は、その日の相場の4本値(『始値』『終値』『高値』『低値』)をまとめているものです。言い換えれば、上記の「その週の日単位のもの」に当たります。すなわち、日足における『始値』は、その日の相場が始まったときの株価の値段であり、『終値』は、その日の相場が終わったときの株価の値段です。『高値』は、その日の相場において最も値段の高いとき、『安値』は、その日の相場において最も値段の低いときを示しています。ローソク足のなかでも、もっとも基本的なものであり、かつポピュラーなものです。
週足
週足は「しゅうあし」と読みます。週足は、その週の相場の4本値(『始値』『終値』『高値』『低値』)をまとめたものです。言い換えれば、上記の「その月の週単位のもの」を示しています。すなわち、周足における『始値』は、その週最初の営業日の『始値』であり、『終値』は、その週最後の営業日の『終値』です。『高値』は、その週の相場において最も値段の高いとき、『安値』は、その週の相場において最も値段の低いときを示しています。1週間分の相場の値動きをローソク足1本にまとめることで、半年、1年といった中長期的な株価の値動きを読むことが可能になります。日足と並んで、ポピュラーなローソク足です。
月足
月足は「つきあし」と読みます。月足は、その月の相場の4本値(『始値』『終値』『高値』『低値』)をまとめたものといえます。言い換えれば、上記の「その年の月単位のもの」ともいうことができます。すなわち、月足における『始値』は、その月最初の営業日の『始値』であり、『終値』は、その月最後の営業日の『終値』です。また、『高値』は、その月の相場において最も値段の高いときを示しており、『安値』は、その月の相場において最も値段の低いときを示しています。1か月分の相場の値動きを一つのローソク足に集約させることで、3年、5年といった長期的な株価の値動きを読むことができるようになります。
分足・日足・週足・月足の使い方
これらの分足・日足・週足・月足を実際の相場で使うときには、自分の投資期間に合わせて、これらを使い分けることになります。言うまでもなく、分足から月足になるにつれて、そのローソク足が網羅している期間が長くなります。言ってみれば、週足や月足は、細かい株価の値動きを割愛している、雑なローソク足をいうこともできます。そのため、自分の投資期間に合わせて、これらのローソク足を使い分ける必要があるのです。たとえば、投資期間が1年を超える場合には、週足や月足を使って株価の安いタイミングを狙います。一方で、投資期間が1か月程度であれば、短期的に株価の値動きを掴むことのできる日足や週足が重要になります。もし一日の内に売買を完了させるデイトレーダーの投資スタイルであれば、分足や日足のローソク足を使うことになります。あるいは、変則的な10分足や20分足を使うということもあります。