スコアアップのためのテクニック
まず第一に言っておきたいこととして、著者は、TOEICテストでスコアを上げるには、英語能力そのものの向上が重要であると考えています。テクニックを駆使して、TOEICテストだけ良いスコアが取れたとしても、それは本当の英語能力ではないからです。
しかし、その一方で、著者はTOEICテストにおけるテクニックもまた重要だと考えています。なぜならば、TOEICテストで良いスコアが取れると、英語に対するモチベーションがぐんと上がりますよね。テクニックだけでも、TOEICテストのスコアが上がり、その結果モチベーションも上がるならば、テクニックを使わないわけにはいきません。テクニックのマスターと英語能力そのものの向上の掛け合わせで、自分の英語能力は飛躍的に向上することが考えられます。
英語能力の向上のための日常的な英語の勉強と併せて、TOEICテストに特化したテクニックをぜひ身につけてください。これは、いわばTOEICテストのテストとしてのスコアを最大限にすることともいえます。TOEICテストもテストですので、やり方によっては自分の実力以上のスコアがとれるわけです。
TOEICテストのテクニック集
このTOEICテストのテクニック集では、著者自身が実際にこれまで行ってきた、TOEICテストにおけるテクニックを一覧としてまとめています。ぜひ参考にできそうな点は、どんどん自分の勉強に取り入れてみてください。また、TOEICテスト一回分をお試しの回として使って、テクニックの有効性を確かめるのもアリ。TOEICテストは、大学受験や入社試験のWebテストのように一回切りではありません。何回も受けられることを利用したほうが良いですよ。また、人はそれぞれ考え方も性格も異なります。テクニック一つをとっても、自分に合ったテクニックがあるハズです。
この記事では、TOEICテストのリーディングにフォーカスし、それを構成するPARTごとにテクニックを余すことなく記載しています。なお、リスニングについては、『TOEICテストのスコアアップテクニック集【リスニング編】』の記事をご覧ください。この記事の末尾にも、そのリンクを貼付しています。
PART5 | 短文穴埋め問題
PART5では、語句・語彙の問題が穴埋めの形式で出題されますが、このPARTでは、機械的に選べる問題をいかに早く処理するかが勝負の分かれ目になります。たとえば、意味の同じ語句で品詞の異なるものは、問題の一文の内容を理解することなく、すぐに判断することができます。なぜならば、問題文を読んだところで、その一文の意味は同じだからです。つまり、PART5においては、英文の構成の理解も重要なポイントになりますね。また、”not only A, but also B”などのように、形の決まっている文法の問題も出題されます。このような問題もいかに早く処理するかが問われます。PART5の解答時間についてですが、1問当たり20秒で解くことが理想的です。
PART6 | 長文穴埋め問題
PART6は、前問のPART5と同様に穴埋め問題の形式になっていますが、その問題文はPART7のような長文になっています。そのため、出題される問題によっては、文章の意味の流れを掴む必要があるものもあります。しかしながら、このPART6も、PART5と同様に時間のかける必要のない問題をいかに早く処理するかが勝負の分かれ目になります。PART6には、以下の図のように、独立型問題と文脈依存問題の2種類に大きく分類することができます。
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前者の独立型問題は、PART5と同様に、品詞をはじめとした語句・語彙の問題や型の決まった文法問題などです。後者の文脈依存問題は、問われている空欄の前後の文章の内容を理解しなければならない問題であり、たとえば、接続詞の問題がそれに当たります。PART6の理想的な解答時間は、PART5と同様に平均20秒です。早く解ける問題と時間のかかる問題でバランスをうまくとり、平均20秒で解けるようにすると良いペースです。
PART7 | 長文読解問題
PART7では、長文読解問題が出題されます。長文読解問題は、シングルパッセージの問題、ダブルパッセージの問題、さらにはトリプルパッセージの問題 (※TOEICテスト試験形式変更に伴い追加されました) の3つの種類から構成されています。
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全体を通して、文章量や問題量がひじょうに多いため、基本的には時間との勝負になります。このPART7の長文読解問題を素早く解くテクニックとしては、まず必ず問題の質問に目を通しておき、それらの内容を頭の中に覚えておくことです。なぜならば、問題文を全て読んでから質問文を読んでも、最初のほうに書かれていることを忘れてしまうからです。そのとき、また問題文を読み直すことになりますよね。その手戻りをなくすことが目的です。なお、あらかじめ質問文を読むときには、それぞれの質問文に対応する複数の選択肢には、目を通しておく必要はありません。なぜならば、問題文を読んでいるうちに、その複数の選択肢の内容を忘れてしまうからです。この場合、最悪質問文の内容も一緒に忘れてしまう可能性もあります。また、問題文は全て読んだほうが良いです。なぜならば、隅々まで読んでいるわけなので、自信を持って答えられるからです。一方、良く対比される長文読解問題中に答えを探す方法では、その答えを見つける時間にバラツキができてしまうだけでなく、目を通した以外の場所にも解答のヒントがあるのでは?と勘ぐってしまうこともあり、自信を持って答えることができません。なお、PART7は、各パッセージにおける個々1問あたり平均1分間で解けると良いペースです。
リーディングPART全体
リーディングPART全体のテクニックとして、問題を解く順番を変えることが挙げられます。たとえば、PART7を最初に解いてしまいます。特に、PART5やPART6において、わからない問題を考え続けるなど必要以上に時間をかけてしまう人は、PART7からやってみるのもアリ。PART5とPART6は、自ずと時間に追われることになるので、わからない問題を捨てるという選択肢を強制的に作ることができます。これにより、試験時間内に解き終えることが可能になります。
まとめ
いかがでしょうか。TOEICテストでスコアを上げるには、英語能力そのものの向上が重要です。しかし、TOEICテストのスコアを上げるためには、TOEICテストのテストとしての特性を利用して、自分の実力以上のスコアを取ることも可能です。
TOEICテストで良いスコアが取れると、英語に対するモチベーションがぐんと上がりますよね。テクニックのマスターと英語能力そのものの向上の掛け合わせで、自分のペースに持ち込むことが重要です。