ポケノミクス相場終了!?
ポケモンGO関連銘柄、株価大暴落。。
2016年7月22日(金)の大引け後に、『任天堂[7974]』は、『ポケモンGO』の業績への影響が限定的であるとするIRを発表しました。そのIR発表までには、『ポケモンGO』の世界的大ヒットから業績改善の期待・思惑により『任天堂[7974]』の株価が2倍以上となり大暴騰をしていましたが、その様子を見ていた『任天堂[7974]』が自らメスを入れるような格好となりました。
『任天堂[7974]』は、『ポケモンGO』をプロデュースしている株式会社ポケモンの議決権の32%を保有する持分法適用関連会社であり、かつ『ポケモンGO』の開発・販売は、米ナイアンティック社が行っているため、『ポケモンGO』を通して得られる『任天堂[7974]』の取り分は、ひじょうに小さいものであるというのです。
このIR発表を受けて翌営業日である本日、『任天堂[7974]』の株価はもちろん、ポケノミクスとも言われていた、ポケモンGO関連銘柄が軒並み大幅安となりました。『任天堂[7974]』が業績への影響が小さいと言っている以上、ポケノミクスのみで株価の上がっていたポケモンGO関連銘柄は、翌営業日以降も継続して影響を受ける可能性もありそうです。本日の『任天堂[7974]』の株価は、前営業日比-5,000円(-17.72%)となるストップ安。ポケモンGO関連銘柄のなかには、ストップ高張り付きの状態からストップ安張り付きの状態となった銘柄も存在し、突然のポケノミクス相場崩壊に対する証券市場の大きな混乱が見受けられます。
ポケモンGOに関する任天堂のIR発表
2016年7月22日(金)の大引け後に発表されたIRを一部抜粋したものが、以下の引用文です。『ポケモンGO』の大ヒットが多くのメディアで報じられ、大きな社会現象となりました。そのことを受けて、『任天堂[7974]』の株価も暴騰しましたが、業績への影響が小さいことをあらかじめ報じることで、後々の決算発表での市場混乱を防ぐ狙いがあると思われます。すでに証券市場は混乱していますが、ステークホルダーに対して、正しい情報を随時提供するという点では、『任天堂[7974]』の行動は、一企業としては正しいことです。
本日、米国法人Niantic, Inc.は、日本でもスマートデバイス向けアプリ『Pokémon GO』を配信開始しました。当アプリは、米国法人Niantic, Inc.が開発を行い配信しており、当社の関連会社である株式会社ポケモンは、ポケットモンスターの権利保有者としてライセンス料及び開発運営協力に伴う対価を受け取ります。なお、株式会社ポケモンは、当社が議決権の32%を保有する持分法適用関連会社であるため、当社の連結業績に与える影響は限定的です。
また、当社は、今後、当アプリと連動する周辺機器『Pokémon GO Plus』の製造及び販売を予定しております。これらは、既に平成28年4月27日に公表しました当社連結業績予想に織り込み済みです。直近の状況を鑑みても、現時点では、当業績予想の修正は行いません。今後、業績予想の修正が必要になった場合には、適時開示を行います。(引用元:『Pokémon GO』の配信による当社の連結業績予想への影響について | 任天堂 ニュースリリース 2016年7月22日)
ポケモンGO関連銘柄の一覧
以下の一覧表の銘柄が、ポケモンGO関連銘柄と言われている銘柄です。今回のポケノミクス相場の中心的な銘柄として、インターネット上の経済情報サイトをはじめとして多くのメディアで取り上げられていました。『任天堂[7974]』をはじめとして、『ポケモンGO』とコラボをしている『日本マクドナルドHD[2702]』、ポケモン通販の『ハピネット[7552]』などが挙げられます。特に、『シライ電子[6658]』は、ストップ高張り付きの状態からストップ安張り付きの状態となりました。
証券コード | 銘柄 |
7974 | 任天堂 |
2702 | 日本マクドナルドHD |
7552 | ハピネット |
6177 | AppBank |
4676 | フジ・メディア・HD |
3668 | コロプラ |
5142 | アキレス |
3912 | モバイルファクトリー |
7867 | タカラトミー |
7022 | サノヤスHD |
2432 | ディー・エヌ・エー |
6879 | イマジカロボットHD |
8369 | 京都銀行 |
2215 | 第一屋製パン |
6658 | シライ電子 |
【任天堂 | 株価チャート(日足) 2016/04/25 – 2016/07/25】
【日本マクドナルドHD | 株価チャート(日足) 2016/04/25 – 2016/07/25】
【シライ電子 | 株価チャート(日足) 2016/04/25 – 2016/07/25】
まとめ
『任天堂[7974]』の業績への影響に関するIR発表をきっかけとして、多くのポケモンGO関連銘柄の株価が大暴落しました。ポケモンGO関連銘柄は、その筆頭の『任天堂[7974]』が「業績への影響は限定的」と言っている以上、今後も継続して暴落する可能性もあると考えられるため、引き続き注意が必要と思われます。
なお、『任天堂[7974]』の2017年度3月期・第1四半期決算発表は、明後日の2016年7月27日(水)を予定しています。また、中間配当基準日は、2016年9月30日(金)に予定されています。
参考
『任天堂[7974]』の株価暴騰に関するレポートについては、以下の記事をご覧ください。