スコアアップのためのテクニック
まず第一に言っておきたいこととして、著者は、TOEICテストでスコアを上げるには、英語能力そのものの向上が重要であると考えています。テクニックを駆使して、TOEICテストだけ良いスコアが取れたとしても、それは本当の英語能力ではないからです。
しかし、その一方で、著者はTOEICテストにおけるテクニックもまた重要だと考えています。なぜならば、TOEICテストで良いスコアが取れると、英語に対するモチベーションがぐんと上がりますよね。テクニックだけでも、TOEICテストのスコアが上がり、その結果モチベーションも上がるならば、テクニックを使わないわけにはいきません。テクニックのマスターと英語能力そのものの向上の掛け合わせで、自分の英語能力は飛躍的に向上することが考えられます。
英語能力の向上のための日常的な英語の勉強と併せて、TOEICテストに特化したテクニックをぜひ身につけてください。これは、いわばTOEICテストのテストとしてのスコアを最大限にすることともいえます。TOEICテストもテストですので、やり方によっては自分の実力以上のスコアがとれるわけです。
TOEICテストのテクニック集
このTOEICテストのテクニック集では、著者自身が実際にこれまで行ってきた、TOEICテストにおけるテクニックを一覧としてまとめています。ぜひ参考にできそうな点は、どんどん自分の勉強に取り入れてみてください。また、TOEICテスト一回分をお試しの回として使って、テクニックの有効性を確かめるのもアリ。TOEICテストは、大学受験や入社試験のWebテストのように一回切りではありません。何回も受けられることを利用したほうが良いですよ。また、人はそれぞれ考え方も性格も異なります。テクニック一つをとっても、自分に合ったテクニックがあるハズです。
この記事では、TOEICテストのリスニングにフォーカスし、それを構成するPARTごとにテクニックを余すことなく記載しています。なお、リーディングについては、『TOEICテストのスコアアップテクニック集【リーディング編】』の記事をご覧ください。この記事の末尾にも、そのリンクを貼付しています。
PART1 | 写真描写問題
このPART1で問題となる写真は、以下の3種類にキレイに分類することができます。
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このPART1では、それぞれの場合に応じて、テクニックを使い分けることになります。では、さっそくそれぞれのテクニックを見ていきましょう。
なお、リスニングPART1は、後半になればなるほど、問題は難しくなります。最後のほうでは、そのことを身構えておくと、問題形式が同じことによる集中力の切れや疲れによる聞きそびれを防止することができます。
人物が一人写っているもの
この写真の場合には、この人に対する情報が問われることが多いです。この人は、「何をしているのか?」、「どこにいるのか?」などが定番の質問です。まずは、この人特有の情報に注目して、その後に周りを見ていくようにすると、焦ることなく問題に取り組むことができます。ここで注意したいことは、行動の現在進行形は基本的には間違いということです。なぜならば、写真からは静的な情報しかわかりません。今まさに動作しているかどうかはわからないのです。たとえば、”She is putting on the hat.” 「彼女は、帽子をかぶっているところです。」は間違いになります。
人物が複数人写っているもの
この写真の場合には、この写っている複数人が、「共通して何をしているのか?」が問われることが多いです。また、その複数人のうち、一人だけにフォーカスして、”There is a woman drinking a “「飲み物を飲んでいる人がいる。」のように、動作の異なる人が問題にされることもあります。
人物が写っていないもの
人物が写っていないものとは、基本的に部屋や風景の写真のことです。そのため、写真に写っている物体に注目することになります。そのため、「 (人物が) 〜をしている」というものは、基本的にすべて不正解です。考える前に捨てても問題ありません。対象となっている物体がどのような状態になっているのかに集中しましょう。
PART2 | 応答問題
リスニングPART2は、問題数が多く、個々の問題につながりがないこともあり、かなり長丁場に感じると思います。やはり、問題の単調性から集中力が切れやすく、文頭の疑問詞を聞きそびれると解答不能になることもあります。PART2においては、自分自身の集中力やメンタルを鍛えることも重要です。集中力やメンタルは、個々人が鍛えるとして、ここでは、PART2で留意しておくべきテクニックを説明しています。
なお、リスニングPART2は、PART1と同様に、後半になるほど難しくなります。最後のほうでは、そのことを身構えておきましょう。そのことにより、問題形式が同じことによる集中力の切れや疲れによる聞きそびれを防止することができます。
文頭の言葉に集中する
個々の問題において、最初の疑問詞が聞きとれないと、根本的に何が質問なのかがわかりませんよね。そのため、特に最初は集中して聞くようにしましょう。なお、PART2においては、最初の疑問詞だけで正解の選択肢を選ぶことができる問題も少なくはありません。
質問を頭の中でリピートする
質問を聞きとっても、選択肢が読み上げられているときに忘れてしまったら元も子もありません。PART2においては、常に頭の中で質問の内容をリピートして、一つずつ言われる選択肢との整合性を確認するように解いていきます。
似た発音の語が聞こえたら、ひっかけ
PART2には、ひっかけ問題が出題されます。”coffee”と”copy”など、発音が似ているものが聞こえたら、基本的には間違いです。TOEICテストの問題制作者は、英語ができない人にスコアを与えたくはないですよ。できない人が良くやってしまう似た発音が聞こえたら答えとして選ぶという行動から、こういう問題が出題されるわけです。
正解以外の選択肢は聞かない
PART2は、前述の通り、問題そのものが単調になります。そのため、集中力が切れやすいのがこのPARTの難しいところでもあります。そのため、正解の選択肢がわかったら、残りの選択肢をあえて聞かないというのも一つの手段です。もちろん、自信を持って解答するため聞きたいという人も多いと思いますが、一つのテクニックとして提示しておきます。
PART3 / PART4 | 会話問題 / 説明文問題
リスニングのPART3とPART4は、もちろん複数人の会話と一人の会話による問題の構成上の違いはあるものの、問題を解く上でのテクニックは同じです。おそらく多くの人が認識していることと思いますが、TOEICテストでは、リスニング前に問題 (質問と選択肢) をあらかじめ読むことができます。試験対策上、このことを利用しないわけにはいきません。このことをもとにした、先読みのテクニックを記載しています。
PARTが始まる前の先読みテクニック
PART3の場合にはPART2が、PART4の場合にはPART3が終わった段階で、すでに問題に着手しているということが重要なポイントです。PART3やPART4が始まったときには、各PARTにおいて、それに関するディレクションが読み上げられます。そのときに、各PARTでは、最初の問題の質問と選択肢をあらかじめ読んでおきます。このとき、どんなトピックなのかを予想して、頭のなかにイメージしておくことが大きなポイントです。ここで、自分のペースに持っていってしまいましょう。
PART内での先読みテクニック
各PART内において、基本的には、次の問題は、前の問題の段階からすでに始まっていると思ってください。個々のトピックに紐付いている3つの質問は、最初の質問が読み上げられる前にすべて解き切ることが理想的です。あるいは、一つ目の質問を読み上げているときには、少なくとも終わっていたいところ。この質問を一つずつ読み上げている時間に、次の問題の質問を先読みしてしまい、トピックの内容を予想し、頭の中にイメージしておきます。もしここで時間に余裕がある場合には、その質問に対する選択肢にも目を通しておきましょう。しかし、優先すべきものは、質問の方です。
基本的には、この先読みの作業の繰り返しになります。ここでは、間に合わない問題や解答のヒントを聞きそびれてしまった問題については、潔く諦めることが重要です。なぜならば、焦って解いた問題や結局は勘で解くことになる問題よりも、これから始まる次の問題の方が俄然正答率は上がるからです。
まとめ
いかがでしょうか。TOEICテストでスコアを上げるには、英語能力そのものの向上が重要です。しかし、TOEICテストのスコアを上げるためには、TOEICテストのテストとしての特性を利用して、自分の実力以上のスコアを取ることも可能です。
TOEICテストで良いスコアが取れると、英語に対するモチベーションがぐんと上がりますよね。テクニックのマスターと英語能力そのものの向上の掛け合わせで、自分のペースに持ち込むことが重要です。
参考
リーディング編については、以下の記事をご覧ください。