空売りとその周辺知識
空売りと株価暴落
皆さんは、相場において空売りをしたことはありますか?これまで投資歴の長い人だったら、少なくとも株式投資の勉強の一環として誰しもがやったことあるのではないかなと思います。あるいは、最近では世界情勢が世界情勢なだけに、「空売り専門だよ!」という人ももしかしたらいるかもしれないですね。日経平均株価指数が、20,000円を超えた去年2015年夏のときには、個人投資家の空売り比率が約3割を超えていたとも言われています。
空売りの基本
空売りとは、その名の通りある銘柄の株式を持っていない状態で、証券会社からその銘柄の株式を借りて最初に売ることができるというものです。もちろん、その売りたい銘柄の株式をすでに持っていても、最初に売るために別途株式を借りることもできます。
株式を売っているため、その株式が売ったときの株価よりも低いときに株式を買い戻せば、その値幅分の利益を得ることができます。すなわち、株式を株価が低いときに買って、株価が高くなったとき株式を売るという、いわゆる通常の株式売買の逆のことができるというわけです。そのため、株価が下落するときには、ただその様を見ているだけではなく、空売りによりその株価下落分の値幅を獲得することが可能になります。
日計りの空売り
日計りの空売りの基本
「空売りできない銘柄多くない?」「むしろ空売りできる銘柄はどれ?」と思う投資家も結構多いのではないでしょうか?証券市場には、正当に空売りができる銘柄の数は、実はかなり少ないのです。そこでおすすめしたいものが、SBI証券でいう、日計り信用ハイパー空売り(ハイカラ)というシステムです。このハイパー空売りは、通常は空売りすることのできない銘柄を空売りできるようにした、特定の証券会社の口座でのみ利用できるシステムです。
ちなみに、このハイパー空売りは、以下の証券口座『松井証券』『楽天証券』『SBI証券』でのみで利用することができます。なお、『SBI証券』では、ハイパー空売りとよばれていますが、ほかの証券口座では、以下の表の通り名称が異なりますので、その点はご注意下さい。しかし、この記事では便宜上ハイパー空売りで統一していますので、あらかじめご了承ください。
信用新規買 | 信用新規売 | |
松井証券 | 一日信用取引 | プレミアム空売り |
楽天証券 | いちにち信用 | 特別空売り |
SBI証券 | 日計り信用 | ハイパー空売り |
日計りの空売りの株式売買
ハイパー空売りは、日計りなだけに一日だけの短期売買のためのものであり、ある日にハイパー空売りをした株式は、その日のうちの相場で反対売買により回収しなければならないルールがあります。その日のうちに該当株式を回収しなければ、株式を借りた投資家の債務不履行を理由として、翌営業日の寄りで強制的に成買が行なわれます。逆に、このシステムをあえて利用して、翌営業日寄りでの GD (ギャップ・ダウン)で値幅を獲得することも可能です。
空売り機関に便乗!?
空売り機関とは
空売り機関とは、証券会社や銀行などの金融機関のうち、上記のような空売りをすることで利益を得る機関のことをいいます。日本国内で活動する主な空売り機関には、主に以下のような機関があります。外資系の投資銀行がひじょうに多いですね。
|
空売り機関の空売り残高と便乗の注意点
空売り機関の空売り残高確認
さて、前置きが長くなりましたが、本題にいきたいと思います。空売り機関は、自己の売買の情報を外部に遅延なく公開する義務があります。そのため、これらの空売り機関がどのような銘柄を空売っているのかを個人投資家も知ることが可能なのです。
たとえば、『空売りネット』から、毎営業日における空売り機関の最新の空売り情報を確認することができます。『空売りネット』に関しては、以下の記事に見方・使い方をまとめていますので、どのようなものか知りたい場合には併せてご利用ください。
空売り機関便乗における注意点
著者がこれまで監視してきたなかでも、世界最大手であり有力な投資銀行である、ゴールドマン・サックスの空売りはこれまで実績があり、ひじょうに参考にできることが多かったです。たとえば、そのゴールドマン・サックスと同じ売りポジションを取ることで、空売りの成功率を高めるというものです。強いモノの影につく空売り投資法ともいえますね。
なお、空売り機関の空売り情報を利用するときには、自分が空売りしたい銘柄の参考にする程度が良いと思います。それには、以下のような5つの注意点があるからです。
|
まとめ
いかがでしょうか?この記事では、『空売り投資法 | 空売り機関に便乗!?株価暴落時に儲ける方法!ハイパー空売りにも要注目』という題目のもと、以下の3つのポイントを見ていきました。ただ、チャートからの形状から空売りを決めるのではなく、悪材料を調べたり、空売り機関の動向を調べておくことが重要です。
|