ガンホー、今後の株価は右肩下がりの推移の可能性 | パズドラ売上の低迷と高すぎる時価総額

【ガンホー月足(2011/06 – 2016/06)】

ミラクルを起こしたガンホー

全盛期の時価総額は約1兆円

2013年にミラクルを起こし、一世を風靡した銘柄、『ガンホー・オンライン・エンタテインメント(以下、ガンホー)[3765]』。投資家ならば、誰でも知っている銘柄ではないでしょうか。いや、むしろ投資家として知っておいたほうが良い銘柄であると思います。このミラクルな『ガンホー[3765]』で儲けた投資家も、この記事を読んでいる皆さんのなかにも少なからずいるのかもしれません。

もはや、投資家でなくとも『ガンホー[3765]』の時価総額の急騰は世に知れ渡りました。全盛期の『ガンホー[3765]』の時価総額は1兆円を超え、当時はハードウェア・ソフトウェアともに事業にもつゲーム業界大手の『任天堂[7974]』と同じ水準まで上り詰めました。株式分割後の株価表記なので少しだけ意味合いは異なりますが、株価10円台から株価1600円台まで約160倍まで買われました。この『ガンホー[3765]』を100万円分だけ持っているだけで、単純計算で最終的には1億6,000万円になると考えるとスゴイことですよね。さすがにそこまで辛抱強く握っている人はいないと思うので、現実的にはないと思いますが。。

パズドラ、成長を牽引

この『ガンホー[3765]』の株価が急騰した理由は、言うまでもなく、『ガンホー[3765]』の主力スマートフォンアプリである『パズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)』の大ヒットです。iOS版は2012年2月20日に、Android版は2012年9月18日に配信され、配信から約4年が経った今でも、テレビCMしていない日がないのではないかと思うほど、毎日のように見かけますよね。俳優の起用、一般人の起用、アニメの利用など、それぞれの放映時期をずらしながら、あらゆる世代に働きかけるようなプロモーションを行っています。また、他の作品とのコラボレーションも積極的に行っており、『ファイナルファンタジー』、『ドラゴンボール改』、『るろうに剣心』など、ゲームや漫画・アニメをはじめとした多くの作品とのコラボレーションを実施しています。

有名人を起用したテレビCM

アニメを利用したテレビCM

主婦をターゲットとしたテレビCM

右肩下がりなガンホー

株価の上がりづらい理由

日本国内の上場企業のなかでも、時価総額の高い『ガンホー[3765]』の株価が1円動くことはひじょうに大きいことです。もちろん発行済株式数だけ時価総額が動くことになるため、『ガンホー[3765]』の株価が1円動いただけで約10億円が動く計算になります。『ガンホー[3765]』、『ミクシィ[2121]』、『コロプラ[3668]』の御三家を除く、スマートフォンアプリ開発を主力とする一般的な企業の多くは時価総額が100〜500億円程度であることから、『ガンホー[3765]』の株価が10〜50円動くだけで、1企業分の企業価値に相当するお金が動く計算になります、単純計算ですが、これまたスゴイことです。

これでは、主力スマートフォンアプリである『パズドラ』の売上が低迷をし始め、次のヒット作を産み出せない状況下では、株価が下がることはあってもどうしても上がりづらいわけです。株価が下がるときも、今後『パズドラ』が圧倒的に失速しない限り、停滞もしくはジリ貧の状況が続くことが考えられるため、買い方はもちろん、売り方にもあまり旨味のない展開となっていますね。ある意味で、『ガンホー[3765]』の株価が今後どのように動くかは、多くの投資家の勉強になるかもしれません。

この意味するところとは・・・

主要株主である『ソフトバンクグループ[9984]』とその子会社である『ソフトバンク』は、『ガンホー[3765]』の株式の9割超を『ガンホー[3765]』に売却することが、2016年6月4日に発表されました。その総額は約730億円とのことです。さらに、『ガンホー[3765]』創業者の一人であり、『ソフトバンクグループ[9984]』の孫正義社長の弟である、孫泰蔵氏が2016年3月22日付けで代表取締役会長を退き、取締役に後退することが2016年2月に明らかになっていました。その理由は「一身上の都合」とされており、孫泰蔵元会長が自ら希望を出したとのこと。これらのことの意味するものとは。。今後も『ソフトバンクグループ[9984]』ならびに『ガンホー[3765]』には注目していきたいですね。