新興市場大暴落とその理由
新興市場全体が大暴落に・・・
2016年5月16日、東証マザーズ、東証ジャスダックなどの新興市場全体に大きな衝撃が走りました。東証マザーズは、前日比-81.65(-6.76%)となる1125.37で大引けを迎えました。東証ジャスダックもまた、前日比-17.48(-0.69%)となる2507.93というマイナスで大引けを迎えました。一方、日経平均株価指数は、前日比+54.19(+0.33%)となる16466.40で取引を終えました。日経平均株価指数も大きく下がっていないのにも関わらず、なぜ新興市場の株価はこんなにも大きく暴落してしまったのでしょうか?
東証マザーズ三強の株価大暴落。
本日の第一の異変として挙げられることは、ジグソーショックです。これまで底値から株価が5倍まで大きく買われてきた、新興市場でも大注目を集めている『ジグソー[3914]』が大きく売られ、前場からストップ安気配のまま本日の取引を終えることになりました。前日比-5000円(-24.91%)となる株価15070円で取引を終えました。この『ジグソー[3914]』が大きく売られた理由は、先週末前営業日5月13日大引け後に行われた『ジグソー[3914]』の決算発表です。『ジグソー[3914]』は、1Q営業益が5,800万円であり、4Q単独比横ばいであることを発表しました。『ジグソー[3914]』は、株価暴落前の段階ですでにPBRが200倍以上となるまでこれまで大きく買われており、決算発表に対する失望売りを呼んだと考えられます。このジグソーショックを機に、その大暴落に対して担保するための資金を周りから集めるかのように、新興市場はほとんどの銘柄で売り注文が殺到することとなりました。そんななか、『ジグソー[3914]』と並んで新興市場においてよく買われている、『ブランジスタ[6176]』や『そーせい[4565]』も大きく売られ、新興市場はもはやパニック状態に。。特に、前場ザラ場開始すぐにストップ高となっていた『ブランジスタ[6176]』は、わずか30分間というひじょうに短い時間で、ストップ安まで制限値幅いっぱいに売られることとなりました。『ブランジスタ[6176]』は、前日比-3000円(-23.35%)となる株価9850円で取引を終えました。また、『そーせい[4565]』も大きく株価が暴落し、前日比-3750円(-14.83%)となる株価21530円で大引けを迎えました。東証マザーズ市場で大きな地位をしめている、東証マザーズ三強、『ジグソー[3914]』、『ブランジスタ[6176]』、『そーせい[4565]』が一度に大幅安となったことで、新興市場は大混乱。また、ストップ高となっていた『フューチャーベンチャーキャピタル(FVC)[8462]』や『アカツキ[3932]』、『チエル[3933]』も後場にかけて大きく売られ始めることとなり、まさに地獄絵図とも言える展開に。。おそらく、このマザーズ三強の大暴落をはじめとした、新興市場大暴落で、ポートフォリオが一気に含み損となってしまった投資家も少なくはないのではないかと思います。
【ジグソー日足(2015/05/16 – 2016/05/16)】
【ブランジスタ日足(2015/05/16 – 2016/05/16)】
【そーせい日足(2015/05/16 – 2016/05/16)】
今後の株価はどうなる?
このマザーズ三強の大暴落の影響として、新興市場の多くの銘柄に売り注文が殺到しました。特に、最近株価を上げてきた銘柄での売り注文が顕著でした。なかには、業績が悪くはない銘柄も大きく売られていました。時間はかかるかもしれませんが、すでに決算通過済で業績の悪くない銘柄から徐々に買い戻しされるのではないかと個人的には思っています。この大暴落で割安水準となった銘柄は、買いのチャンスかもしれません。しかし、『ジグソー[3914]』、『ブランジスタ[6176]』、『そーせい[4565]』の大暴落がまだどれだけの影響を及ぼすかは未知数のため、いた購入したい銘柄がある場合には、その株価が一度落ち着いてからのほうが良いかもしれません。「安いから買っておこう!」や「やばい早く売らなきゃ!」などと、焦って売買することのないように注意したいところですね。しっかりと冷静に状況を捉えてから、慎重に売買するようにしましょう。
なお、参考までにですが、22時20分現在、PTS夜間取引において、『ジグソー[3914]』は-4000円(-26.54%)のストップ安11070円、『ブランジスタ[6176]』は-1500円(-15.23%)の株価8350円、『そーせい[4565]』は-1070円(-4.97%)の株価20460円となっています。ほかの新興市場銘柄はどのようになるのかはわからないですが、マザーズ三強の株価が落ち着くのは、もう少し先になるかもしれませんね。
追記
ジグソーショックに関する記事は以下の記事『ジグソーショック、新興市場の株価大暴落続く。。』も併せてご覧ください。(追記:2016年5月18日)