(引用元:http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/431)
2015年10月8日、原油価格はこれまでの上昇を調整したかのように反落しました。この記事『原油価格の今後の推移は!?ボックス相場となる可能性』では、原油ETF(原油価格に連動することを目指して運用されるETF)の一つである、WTI原油価格連動型上場投信(1671)を例に、今後の原油価格の推移について予測することにします。
チャートからもわかるように、WTIは、約2か月ぶりの高値をつけました。米エネルギー情報局(EIA)は、2016年に原油生産量が減るとの見通しを示しています。これにより、これまで問題となっていた需給関係に歯止めがかかる見方が優勢となり、短期売買の投機筋からの買い戻しが発生したと考えられています。また、EIAは、米シェールオイ原油増産が一服したとの見方を示し、長引いている原油安の影響から米シェールオイルの資金繰りの厳しさが予想されています(原油安については『原油安はなぜ起きたのか?その複雑な原因と理由とは!?』を参照のこと)。さらに、ロシアとサウジアラビアが、月内にも生産調整について協議すると考えられています。
その一方で、年内にイランの原油輸出拡大が見込まれており、供給過剰の解消は難しいという見方もあります。長期的に見て、原油価格の回復は期待されますが、短期的には、上値を追う動きは限られ、ボックス相場となる可能性が高いと思われます。また、中国の景気失速・米の利上げなどの外部環境にも影響される可能性は、まだ十分にあり得るでしょう(原油ETF/ETNについては『原油価格大幅反発!~今後の推移を予測する~』を参照のこと)。