なぜ!?相次ぐゲーム株の暴落。。
最近、ゲーム株銘柄の株価の暴落が顕著です。2013年に『パズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)』の大ヒットにより、時価総額が1兆5000億円超えと大幅に伸び、世間を騒がせた『ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)』や、2014年に第二の『ガンホー』とも言われ、ヒット作『モンスターストライク(以下、モンスト)』のリリースにより、奇跡ともいえるV字回復を記録した『ミクシィ』をはじめとして、多くのゲーム株銘柄が売られ、その株価が暴落しています。では、なぜゲーム株は暴落しているのでしょうか?
決算・業績の悪化
たとえば、『ガンホー』、『コロプラ』、『クルーズ』は、2015年の1Q決算発表時に業績悪化に対する嫌気から、株価の暴落が始まっています。決算発表前後で、25%以上も株価が暴落している銘柄も存在しています。今現在でもその株価は回復を見せる値動きもなく、むしろより一層暴落が続いているようにもみえます。特に『クルーズ』は、決算発表前日までに、株価が20%以上も下落し、当時決算発表の悪業績を織り込んだと思われました。しかしながら、その織り込んだと思われていた株価はさらに下落を続け、今現在は決算発表前に比べて40%以上も暴落しています。下グラフは、もっとも大きく暴落したゲーム株『クルーズ』のチャートです。
一方、『ミクシィ』は、株価暴騰の引き立て役であった『モンスト』の失速が懸念され、1Qの決算の結果が未知数でしたが、それを良い意味で裏切り、株価が約7倍にまで暴騰した2014年を彷彿とさせるような好業績を発表しました。それにも関わらず、決算発表の翌日に株価が窓を開けて一時的に暴騰しただけで、なんと同日中に前日株価終値を割り込んで着地したのです。なぜ好業績を記録したのにも関わらず、『ミクシィ』の株価は暴落したのでしょうか?下グラフは、ゲーム株『ミクシィ』のチャートです。
世界情勢の影響
2015年9月現在、中国経済の失速、ギリシャのユーロ圏離脱への懸念、米の雇用統計や利上げ観測、異常ともいえる原油安などの世界情勢への不安から、世界同時株安の事態に陥っています。多くの国、多くの業界の企業の株価が大幅に暴落しています。もちろんゲーム株も例外ではなく、むしろゲーム株のほうがその暴落が大きいともいえるのです。
それは、東証1部や2部に上場している企業に比べて、マザーズやジャスダックに上場しているそれはリスクを伴うため、いち早く売られてしまう傾向があるとの見方もあるようです。ゲーム株の多くもマザーズやジャスダックに上場しているのです。そのことが、この一連の暴落の引き金の一つになっているとも考えられます。
『ミクシィ』の決算発表では、この世界情勢に対する懸念が株価の上値を重くし、結果的に世界同時株安を織り込みにいったと考えると、納得がいくものです。
ゲーム株の飽和
現在多くの企業がスマートフォンやタブレット向けにソーシャルゲームを開発し、リリースしています。インターネット広告やテレビCMでも、数多くのゲームが広告されています。しかし、ユーザーは一度に複数のゲームをプレイすることは多くなく、もはやユーザーの取り合いの状況が生まれているとの見方もあり、そのことがゲーム株を購入するときの懸念点になっているとも考えられています。
株価は、半年先の状況を反映していると言われています。『ミクシィ』の決算発表では、確かに好業績が発表されましたが、『モンスト』に続く新しい柱の準備が整っていないことから、今後の業績に対する不安が株価に影響を与えたとも考えられているかもしれません。
今後のゲーム株の行方
もちろん、今後第二の『ミクシィ』のようなゲーム株銘柄が出現すれば、投資家のゲーム株に対する意識が変化し、市場が再び活気づくことも大いに考えられます。しかしながら、当面は難しい局面に迫られることになることも覚悟しておくことに越したことはないでしょう。